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思い出のセックスに酔いしれて
孫もたくさん生まれたイザナギとイザナミですが、二人の神生みはまだ終わりません。
動物の中では神様に一番よく似ている人間。おまけに言葉も通じます。人間の方も神様を知って、祈りを捧げたり、願いごとをしたりするようになりました。人間の願いを聞いてやるのも神様の大切な仕事です。
イザナギとイザナミは人間のことが愛しくてたまらなくなり、できるだけ人間の願いをかなえてやろうと思うようになりました。
「どうか、鳥のように空を飛べますように。」
そんな願いをした人間がいました。
「人間が鳥のようになりたいと思う気持ちもわかるわ。わたしたちだって、最初はセキレイの真似をしたのだもの。」
「そうだったな。」
セキレイという言葉が出たことで、二人は初めての時のセックスを思い出しました。何度も何度も身体を重ねた二人ですが、やはり初めてのことは特別な思い出です。
「あの時、こうしたんだっけ…。」
イザナギがイザナミの背中から抱きつき、そして胸を触りました。
「んん…。」
「あの時よりもずっと感度がよくなってる。」
「まあ…。」
イザナミは頬を赤らめます。イザナギは手を下にやり、ホトをまさぐりました。
「ほら、ここも、もうこんなに濡れて…。」
熱を帯び湿ったホトに、イザナギの指はすんなりと飲み込まれていきます。生き物のようにぬるっと指を誘うホトは、まるで意思をもっているかのよう。
「あ…。」
指を微妙に震わせながら愛撫していると、愛液はどんどん滴り、イザナミをどんどん昂らせていきます。
グチュグチュと卑猥な音を立てるとともに、イザナミの息遣いも荒く…そしてその様子を見たイザナギの気持ちも高ぶり、中心部を硬くそそり立たせました。
イザナミは恍惚を感じながら目をつぶりました。
「は…あぁ…。」
愛液のぬめりはもはや指の抵抗を感じさせないほどになり、指の動きはますます速さを増していきます。繰り返し打ち返す波のように、イザナミの中で満ちていく快感。
「あ…あぁ!そこよ。もっとしてちょうだい…。」
イザナミがオーガズムを迎え入れる準備をした次の瞬間、イザナミはいきなり自分の身体がフワッと浮かび上がりました。しかし、なんだかいつもとは違う感覚です。
イザナギがイザナミの両モモをかかえて身体を持ち上げていたのです。
宙ぶらりんのセックス
「え…? もうちょっとでイケそうだったのに。それに、こんな格好…恥ずかしいわ。」
「どうしてだい?そんな簡単にイってはもったいないだろう?」
「これじゃ、まるで、赤ん坊がおしっこをさせられてるみたいよ。」
「おしっこしてみてもいいんだよ。」
イザナギは面白そうに笑って言いました。
「いやよ。そんなの。降ろして。」
「降ろす前に、これを入れてあげよう。」
イザナギはそう言って、大きく開いた無防備なホトの中に自分のモノを突き立てました。
「あぁっっ!」
そして、イザナギは身体を揺らします。イザナミの身体もいっしょに揺れています。
「目をつぶって、腕を伸ばしてごらん。」
「こう…?」
「ほら、鳥になったような心地がしない?きっと、いつもよりももっと気持ちよくなれるよ。」
ゆらゆら揺れながら、イザナミは次第に上りつめていきます。
「あ…! ああ…! あああっ…!」
イザナギは歓喜の渦に飲まれているイザナミを見て、ゾクゾクとした快感を感じさらに大きく身体を揺らします。
細い身体をしっかりと支える逞しい肉体に包まれている喜び、フワフワと浮かんでいるような錯覚、そしてホトの奥に迫りくる快楽。さまざまな気持ち良さがイザナミを感じさせました。
出入りするたびに白濁した愛液が、溢れています。
「ああ! わたし、飛んでる! 飛んでる! あああ!」
イザナミのホトがひくひくと痙攣し、それから弛緩しました。
荒波に飲まれる舟
そこでやっとイザナギはイザナミを地に降ろしました。
イザナミは、はぁはぁと荒い息を吐いています。
「どう?」
「イッたような、まだイッてないような妙な気分だわ。宙ぶらりんだったからかしら。」
「じゃあ、今度は地上に戻って、おれに乗ってみてくれ。もっと、昇天させてやろう。」
そう言うとイザナギは仰向けになって寝そべりました。イザナギのモノはまだ突っ立ったままです。
イザナミはその上に座り、ホトがイザナミのモノがずぶずぶと入っていく感触をゆっくりと味わいました。
「ああ…。」
イザナミは悩ましげなため息をつきました。
そこでイザナギは下からぐっぐっと突き上げました。イザナギのモノがホトの奥に当たるたびに激しい快感が全身を襲います。
「あ! あ!」
イザナミは舟の櫂をこぐように身体を前後に揺らし始めました。悩ましげにくねる腰。下から見たイザナミは今まで以上に美しく淫らな姿と快感に、今度はイザナギが悩ましげな表情で声を漏らします。
「う…、う…。」
その表情を見ると、イザナミは身体の芯がさらに熱く熱くなってくるのを感じました。
「あ…、ああ…、またよ…、また、イキそう。」
イザナギはイザナミの手をしっかりと握り、下から激しく突き上げました。止まることなく腰を上下させるイザナギ、イザナミの細い身体は荒波に飲まれる船のように揺さぶられ、握りしめているイザナギの手だけが頼りです。
ズンズンと突き上げられる身体。
「ああ…、昇る! 昇りつめるわ!」
二人の身体は激しく震え、同時に果てました。
神様がいっぱい
こうして生まれた神様は、なんと空飛ぶ船でした。
鳥之石楠船神(トリノイワクスブネノカミ)、またの名を天鳥船(アメノトリフネ)といいます。
しかし、この船に乗れるのは神様だけなのです。人間は乗ることができません。鳥のように飛びたいという人間の願いを叶えてやることはできませんでした。
「でも、いつか、この鳥の船と同じものを人間が自分で作るかもしれないな。」
「そうね。人間は賢いのだから。ああ、もっともっと人間の役に立つ子を産みたいわ。」
そこで次に生まれたのが、大宜都比売神(オオゲツヒメノカミ)、食べ物の神様です。
人間は食べ物をよりたくさん手に入れられるようになり、数もどんどん増えていきました。
イザナミとイザナギが生んだ神は膨大な数に上りました。
それまでの神が一人か二人、代をつなぐだけの細々とした人数しか生まなかったのに、この二人が生んだ神は、島になった者も含めて三十五にものぼります。
その子孫たちも含めると数えきれないぐらいです。八百万(やおよろず)と言われるだけのことはあります。
ほとんど変化がないように見える長い長い時を過ごした後、爆発的に様々な種類の生物が生まれる時が訪れます。イザナミとイザナギの国生み・神生みは、ちょうどそんな時期に当たっているようです。
しかし、生き物には、時に絶滅の危機がやってきます。繁栄を誇った恐竜も滅びました。そしてイザナミとイザナギにも悲しい出来事が待っていました。
【神 性 喜劇】 日本編 Vol.16
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