【神性喜劇】日本編Vol18亡き妻を求めて黄泉国へ

【神性喜劇】 日本編

火の神の死と新しい命

妻を失ったイザナギの悲しみは、葬儀を終えた後も、癒されることはありませんでした。その溢れんばかりの悲しみは、イザナミのホトを焼いて生まれたガグツチに対する怒りへと変わってしまいました。

「お前さえ、お前さえ生まれなければ…。」

イザナギは腰に帯びていた十拳剣(とつかのつるぎ)をすらりと抜き放ちました。十拳剣とは、拳(こぶし)10個分の刃渡りを持つ長い剣です。

しかし、カグツチはその光景を見てもきょとんとしているばかりです。

母がなぜ死んだのか、父がなぜ怒っているのか、そして父が手に持つ剣がどれほど恐ろしいものであるか、何もわからないまま、カグツチの頭は胴体から切り離されました。

「カ、カグツチ…。」

怒りにまかせてカグツチを斬り殺してしまったイザナギでしたが、沸き上がってくるのは虚しい思いばかりでした。

「イザナミが遺した最後の子だというのに、このおれは…。」

イザナギはやるせない思いと共に剣を一振りすると、剣に付いたカグツチの血が飛び散り、そこから8人の神様が生まれました。

「おお! こ、これは…。」

生まれた8人はみんな刀剣の神、武の神でした。その中でもとりわけ強い力を持って生まれたのが建御雷之男神(タケミカヅチノオノカミ)です。

この神様は、後に「国譲り」の場面で大きな役割を果たすことになります。

さらに、カグツチの死体からも10人の神様が生まれました。これらは山の神様として大山津見神(オオヤマツミノカミ)が引き取って育てることになりました。

「そうか…。そうなんだ!」

イザナギはふと思いつきました。

「神は死しても新たな神を生む。ということは、イザナミも一度は死んでしまったが、復活できるかもしれない!」

イザナギは黄泉国(よもつくに)へ行こうと決心しました。そこは死者の国です。イザナギはきっとそこにイザナミがいるに違いないと考えました。

黄泉国での再会

イザナギは黄泉国へと続く長い長い洞窟の中に入っていきました。洞窟は薄暗くじめじめしており、なにやら異様な匂いもしています。その匂いは奥へ進めば進むほど強くなってきました。

「早く、早くイザナミを救い出すのだ。」

イザナギはそう思い詰めて、歩みを速めました。

ついに洞窟の出口にたどり着きました。そこには、なにやら立派な御殿が建っていました。「イザナミはきっとあの中だ。」

そう思ったイザナギは大声で妻を呼びました。

「イザナミ! イザナミ!」

すると、その宮殿の中から懐かしい声が聞こえてきました。

「イザナギ! あなたなの?」

「そうだ。おれだ! イザナギだ!」

御殿の戸を開けて姿を現した女性はたしかにイザナミでした。しかも、病に苦しんだ姿ではなく、生きていたときと同じ、いや、それ以上に美しい姿になっていました。

「イザナミ! 愛しいおれの妻よ! おれとお前が作った国はまだ完成していない。だから帰ってきてくれ!」

イザナギの呼びかけにイザナミは答えました。

「…残念だわ。あなたが来るのは遅すぎたわ。」

「どういうことだ?」

「わたしはもうこの国のものを食べてしまったの。だから、もう元の国には戻れないのよ。」

「そんな! そんな…、なんとかならないのか?」

イザナギは、はらはらと涙を流して訴えました。そんな様子を見て、イザナミは言いました。

「せっかく愛しいあなたがいらしたのだから、わたしだって帰りたいわ。しばらく黄泉神(よもつがみ)と相談してくるから、その間、決してわたしを見ないで。」

イザナミはそう言うと御殿の奥へと戻っていきました。

イザナミの喘ぎ声

イザナギは言われたとおり、御殿の外で待ちました。しかし、いくら待っても、イザナミが出てくる気配はありません。

「遅いなあ。黄泉神とやらに無理矢理引き留められているのだろうか。」

イザナギはとうとう待ちきれなくなって、御殿の中にそっと入っていきました。中は真っ暗です。そこでイザナギは髪に挿している櫛の歯を一本折ってそれに火をともしました。

「…、…。」

歩いていくと、奥の方で何か小さなうめき声のようなものが聞こえてきました。イザナギはその声のする方へと近づいていきました。

「う…、あ…、ああ…。」

それはイザナミの声でした。

「何か苦しんでる?」

イザナギは最初はそう思いました。しかし、どうやら様子が違います。

「あ…、あん…。ああ!」

「まさか…?」

イザナギは信じたくないものを突きつけられた気分になりました。そう、それはイザナミのあえぎ声だったのです。しかも、もう一人別の声が聞こえてきます。それはしわがれていますが、確かに女の声でした。

「イザナミよ、どうじゃ。これでもまだ帰りたいなどと言うか。」

「あ…はぁ…ぁん…。ダメよ。わたしは…、イザナギが…あっんん!愛しいの…。イザナギもわたしを…。」

「愛しいなどという気持ちはこれに勝るのかな。」

「ああっ!」

「どうだ。ここがいいのじゃろう。」

「あ…、ああ!」

「この黄泉醜女(ヨモツシコメ)、顔は醜くても、女のどこをどうすれば感じるのか、よーくわかっておる。さあ、今度はここじゃ。」

グチュグチュヌチュヌチュと、ぐっしょり濡れた何かの音とともに肌の擦れる音が鳴響き、それに併せてイザナミの妖艶な息遣いが聞こえます。

「はぁ…あっ…。あああ!」

そして、もう一人のしわがれた女の声も苦しそうな声をあげだしました。

「あぁ…こうやって擦りあうだけで…はぁん。こんなに溢れて…くる。あぁっ!」

『擦りあう?』二人の女が何をしているのか気になりながらも、愛しのイザナミの艶やかな声は、密に愛し合った多くの日を鮮明に思い起こさせます。

イザナミのピンと勃った乳首、しなやかにくねる腰、濡れそぼったホトが温かく包み込み締め付ける感触…イザナギの下半身に湧き上がってくるものがイザナミのモノを硬くそそり立たせました。

「あぁイザナミ…もう一度おまえの中に入りたい…。」

イザナギは夢中になって、自分のモノをしごき始めました。

「あ…、ああ…。」

目を閉じイザナミの乱れた姿を頭に描きます。汗にまみれ紅潮したイザナミの頰に髪が張りつき、「はぁ…きもちいい…わ。」とのけぞるイザナミ。

「イザナミ…イザナミあぁ…。」

離れた場所で喘ぎ声をあげるイザナミがすぐそばにいるよう。イザナミが、俺のモノでこんなに感じている。

イザナギはできるだけ声を潜めようとしましたが、声が漏れ出るのをどうしても押さえることができませんでした。

「ああ!」

イザナギはついに精を漏らしてしまいました。

禁断の乱行情事

「あっ さあ、そろそろ雷(いかづち)たちにもお出まし願おうか。」女の声が聞こえ、イザナギはハッとしました。

「いや…、それだけは…、やめて…。」

「そんなことを言いながら、もう身体をくねらせておるな。昨日もこの雷たちに何度も何度もイカされたことを身体はしっかり覚えておるようじゃな。さあ、大雷、火雷、黒雷、折雷、若雷、土雷、鳴雷、伏雷よ、配置につけ。そして、大気を震わせるその力で、この女の全てを震わせるのじゃ。」

イザナギはそれを聞いて、「いったい何をする気なのだろう」といぶかしがりました。しかし、のぞいてみるわけにはいきません。イザナミから「決してわたしを見ないで」と言われたのを忘れてはいませんでした。

すると、なにやら雷鳴の音がしてきました。そして震動がイザナギのいるところにも伝わってきました。

イザナギは冷静になって、もう一度様子をうかがいました。すると、イザナミはこれまで聞いたことのない声を立てていたのです。

「グ…、グ…、グ…、グギャア!」

このすさまじい声を聞いて、イザナギは思わず物陰から姿を現し、イザナミの姿を見てしまいました。

イザナミの姿はさっきの美しい姿ではありませんでした。身体中にウジがたかり、頭、胸、腹、両手、両足、そしてホトに雷たちが巣くい、刺激を与えているのでした。

雷たちはイザナミの身体全てを激しく愛撫し、イザナミは狂ったかのように髪を振り乱し痙攣しています。

足を大きく広げているイザナミのホトを掻き分け、身体をくねらせながら出たり入ったりしているウジもありました。イザナミのホトから出てきたウジは、テラテラと光り歓喜を感じているようにも見えます。

そして、イザナミは恍惚に浸りきったみだらな表情と、聞いたことのない叫び声をあげています。

「ググ…はぁ。だ…めギャあぁ。…もっどぉぉぉ…あっギャーッ!!」

絶句したイザナギは、身体が硬直したように動けません。

すると、イザナミの視線がイザナギに向けられました。イザナギの姿に気がついたイザナミのその恍惚の表情は、悪鬼の如き憤怒の表情に変貌していったのです。

「見・た・な…。」




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