【神性喜劇】 日本編Vo5 男が先に──その真相

【神性喜劇】 日本編

神様たちのすったもんだ

さて、うまく任務を果たすことができないとのイザナギとイザナミの訴えに、天界の神様たちはまた会議を開きました。

あれほど、子作りにふさわしい身体だと太鼓判を押された二人だというのに、なぜ結果が出せないのでしょうか。太鼓判を押した神様たちも責任を問われかねません。

しかし、実のところ、その原因が何か、そしてその対処法については、神様たちにもわかりませんでした。

「問題は、イザナギが懸念したとおり、女が先にイッたことにある。」

「やはり男が先にイッてから、女がイクべきであろう。」

そんな意見が出ましたが、それに対する反論もありました。夫婦神の妹達の意見です。

「でも男が先にイッたら、もう女がイクタイミングがなくなってしまうじゃないの。」

「それに、わたしはイッたことがないのよ。それでも子どもはできたわ。」

「わたしだってそうよ。」

「それに、どちらが先にイクとかイカないとかは、子作りに関係ないわ。」

そこでタカミムスビが発言しました。みんなを代表してイザナギ・イザナギに任務を宣言した神様です。

「なるほど、女たちの意見でわかった。やはり、女がイクかどうかは子作りとは無縁であり、いわば添え物であるということがはっきりした。したがって、ここはひとつ男が先にイッてから女がイッたらよいということにしよう。」

しかし女たちは不満げです。

「わたしたちはそんなことは関係ないって言ったのに、どうして後先の問題になるのかしら。」

「そうよ、そうよ。」

「女はイケないままでいいって言うの?」

「ならば、対案を出してみるがいい。」

結局誰も対案を出すことはありませんでした。

「では、決まったな。もしも、これでうまくいかなければ、その時には別のことを試してみればいいではないか。」

イザナギとイザナミには、「男が先にイッてから女がイッたらよい」という結論だけが示されました。二人はその言葉をありがたく受け取りました。

男が先にイったら…

さて、オノコロ島に戻った二人は、さっそく天界からの指示通りにヤッてみました。

イザナギは自分からまず「ああ、なんていい女なんだ」と言ってから、イザナミを抱き寄せました。

イザナミはまず相手から言葉をかけられたことで、その言葉によって自分の身体が高ぶるのを感じました。これまでは、いわば自分の身体の声しか聞いていなかったのです。

相手の言葉がこんなに心地いいものだとイザナミは初めて実感しました。

「ああ…、なんて…、いい…男なの…。」

イザナギの方もイザナミのそんな声を聞いて心を高ぶらせました。自分の一物も固く大きくなってきました。そして、これまでのように背後からイザナミに覆い被さり、挿入しました。

「ああ…。」

もうすでに心地よくなっていたイザナミは、少し入れられただけで、もう身体を揺らし始めました。

「イザナミ! 我慢して!」

イザナギが声をかけましたが、イザナミの感じやすい身体は彼女の思いのままにはなりません。

「だめ! ああ、もうイキそう…。ああ!」

ここでイザナミに先にイかれてはこれまでと同じことです。そこでイザナギは一度自分のモノをイザナミから抜くことにしました。

「ああ!?」

イザナミは思わず叫びました。イキそうでイケない。こんな感覚も初めてでした。

「イヤ、ひどい! どうして? ああ!」

快楽と苦しみとを同時に味わっているイザナミを落ち着かせようと、イザナギはイザナミを正面から抱きしめました。

イザナギのモノはまだ中に入っていません。でも、それで擦られて、イザナミは初めての感覚を得ました。

「ああああー!」「あ…な…に…や…しィ!」(阿那邇夜志)

イザナギは、イザナミの様子に首を傾げました。『まだ入れてないのに・・・』

ところが、イザナミの身体は一瞬弛緩したようでしたが、すぐにより強くイザナギに抱きついてきました。

「来て…、ねえ…、私の中に…。早く…。」

「イザナミ、イッたのか?でも、入れてないのになぜ?」

「わからないわ…。でも…なんだか体がおかしいの。まるでイってしまったような感覚だわ。でもまだこんなにも…あなたが…欲しい。」

男と女のセックスは、ここが一番違うところです。

女は、色々な箇所でエクスタシーを感じることができます。さらに、精神的な幸せを感じイクこともできるのです。

そして、男はひとたび射精をしてしまえば、再び勃起するまでに時間がかかりますが、女はそうではありません。

感じる場所を様々に変えれば、いくらでもセックスを続けることができるのです。

イザナミはこれまで膣への刺激によってエクスタシーに達していたのですが、今回はクリトリスへの刺激でエクスタシーに至りました。

夫婦神の妹達は、クリトリスでのエクスタシーを知りませんでした。

そしてそれでもまだ、イザナミの身体は膣エクスタシーを要求してやまないのです。

イザナギが疑問に感じたのも無理はありません。

イザナギはイザナミが求めるままに挿入しました。セキレイに教わった背後からの体位ではなく、相手を正面から見つめ合いながらの体位です。

イザナミはまた新しい感覚を発見しました。同じように膣へ挿入されても、体位によって感じ方が違うのです。

「ああ…、すてき…。色々な場所で感じるわ…。」

「そうか。それはよかった。」

イザナギは心からの満足を感じました。その瞬間、頭が真っ白になるような感覚と共に、身体が自然に上下に動きました。

「あああああ…!」

精を放出してイザナギの身体は完全に脱力しました。そして、少し遅れてイザナミの身体が激しく震え、そして静かになるのを感じました。

イザナギは心の底からの達成感を得て、そのまま深い眠りに陥りました。

淡路島の誕生

イザナギが目を覚ました時は、ちょうど新たに子どもが生まれようとしていた時でした。

子どもはイザナミの胎内から出ると、自ら大海原に飛び込み、周囲に漂っているものを引き寄せて、大きな島に成長しました。

三度目の出産となるこの時に生まれたのが、淡道之穂之狭別島(アワジノホノサワケノシマ)、つまり淡路島となります。

天界の指示通りにしたらりっぱに任務を果たすことができたということで、イザナギとイザナミも喜びましたが、天界の神様たちもホッとしました。

「これで何事も男が先にすればいいということが正しいとわかったであろう。」

不満を口にしていた女神たちも、よい結果が出たのだから文句のつけようがありません。

こうして、「男が先に」、「女は一歩下がって」ということが立て前として言われるようになったのですが、その内実は必ずしも男尊女卑ではなかったようです。





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