オンナの濡れ事秘話 連載官能小説
第一巻 性感帯の分布図を描く女【Vo.4】
性感帯の分布図を描く女【Vo.4】
欲情に駆り立てられる女
再度そそり立ったペニスを、艶めかしく眺めながら万子はこう言った。
「あなた、お口で気持ちよくしてもらいたいんでしょう?」
そう言いながら、ぬめぬめと湿った舌先で焦らすように、睾丸から先端までをゆっくり一舐めする。
「おぉ・・・。いいぞ。そうだな。そのいやらしい万子の唇と、独立して生きているかのような舌で、気持ち良くしてくれるか?」
「もちろんいいわよ。もう一度性感帯の分布図 描かなくてはいけないわね。」
次は私が描いてあげる、性感帯の分布図。性之介を誘うような上目でそう訴えた万子は、彼の怒張し続ける熱い男根を亀頭冠まで咥内に納めた。
「うっ…!」
段差の大きい肉厚の雁首まで咥内に含まれると彼女の唇の、マシュマロのように柔らかくしっとり濡れた感覚に、性之介は意図せず甘い喘ぎを漏らす。
私の唇に感じてくれているのね、何て色っぽいの。
我慢しきれず快楽に抗う性之介の様子は、万子の欲情を駆り立てた。
新たな欲情に、先程の彼がしてくれた激しくも心地悦いピストンと、ローターによって与えられた絶頂の余韻が加わった事により、彼女の婬部は触れられてもいないのにトロリと蜜を滴らせていた。
彼の怒張の先端を口に含んだまま、万子は舌を動かす。
性之介の硬くなった鈴口に舌先を這わせる度、絶頂を体感した僅かな残り香と、また絶頂を迎えそうだという先走りが複雑に入り混じった生暖かい彼の淫液が、彼女の味覚を刺激した。
止めどなく溢れてくるそれを、万子は躊躇なく舐め取っていく。
壊れ物でも扱うように、ゆっくり丹念に。
快感に翻弄される男
最初は飴玉でも転がすみたいにチロチロと舌先を動かすだけの動きだったが、徐々に舌全体を動かす、ねっとりした動きに変わっていた。
「んっ、」
万子は舌全体で性之介の亀頭全体を舐め回す。
彼はと言うと、不意に変化した彼女の舌遣いに良いように翻弄され、迫り来る悦楽の波に眉間に皺を寄せて、必死に吐精するのを堪えていた。
万子のいやらしい舌と唇の感覚をまだ感じていたい、従順にしゃぶってくれる姿をもっと見ていたい。
それらの欲求だけが、性之介の理性を必死に繋いでいた。
理性を必死に繋げるそんな彼を面白がるように、万子は舌を伸ばして肉厚の亀頭冠に触れた。
その瞬間、限界まで大きくなったと思っていた性之介の男根が、乳白色の淫液で満たされているであろう管を伝って、亀頭をピクンと振わせると同時に、彼女の咥内でまた質量を増した。
「んんっ、」
性之介の男根がピクリと質量を増した感覚に、万子は唇の隙間から呼気に混じりの声を漏らした。
まだ大きくなるのね、何て正直なのかしら。
彼の悦びがそのまま彼女の悦びに繋がり、万子の女陰が疼いては、じわりと熱い愛液でまた湿り出した。
更に質量が増した事を愛しく思いながらも、もう少し性之介が快楽を感じている姿を見ていたくなった万子は、口に含んでいる彼の男根を咥内から出した。
「…え、」
急に愛撫を止められ快楽の巡りが止まったからか、性之介は目を丸くして驚いたと同時に間抜けな声を上げた。
彼女の唾液の生暖かい感覚から、外気の風が当たるひんやりした冷たい感覚を感じたからか、性之介の男根は硬さを持ったままビクッと振るえた。
咥内から解放されたそれは、彼女の唾液に余す事なくねっとり覆われていて、テラテラと淫靡な光を放っている。
「もっと気持ち悦くしてあげるわ、性之介」
恍惚とした笑みに、妖艶さを含んだ低く色気のある声で発せられた滅多に口にされる事のない名前。
ああ、その声にその視線、堪らない。
ゾクゾクと甘い痺れにも似た快楽が、性之介の体を瞬時に駆け巡って、必死に繋いでいる理性を崩していく。
目を丸くしたままの彼の開かれている脚の隙間。
その隙間に万子はすっと手を差し入れて、性之介の男根を支えるように鎮座している玉座に指先でそっと触れた。
いきなり玉を触られた事にまた驚かされた彼は、体をピクリと振るわせた。
彼女の指先に彼の血潮がドクドクと伝わる。
万子は、片手で性之介の玉をソフトなタッチで揉み、口は舌先だけで形を確かめるように雁首に触れる。
いつもは咥内でしている愛撫を、万子は性之介の眼前で見せ付ける。
たったそれだけの単純な行為は、彼を扇情的な気持ちにさせる。
舌先だけで、乾きかけていた雁首にまんべんなく唾液を塗り付けると、万子は大きくなった男根を再度口に含んだ。
性感帯をくまなく責められ絶頂を迎える男
次は先端だけでなく口一杯に、男根の半分ほどを納めた。
そして、彼女は自分の口を自らの女陰に見立て、ゆっくり抜き差しする律動運動をした。
「気持ちいいかしら?」
どれくらいか律動運動をした後、万子は動きを止めて性之介に様子を聞いた。
「あぁ、気持ちいいぞ。万子の唇や舌遣い、それに指遣い。…イヤらし過ぎて、どうにかなりそうだ」
彼のその答えに彼女はニッコリ笑って、抜き差しを再開した。
触覚と同時に性之介の聴覚をも犯す勢いで、唾液の音を大きく立てる。
万子から与えられる強烈な悦楽に、性之介は頭の中で何かが切れる感覚を覚えた。
もうダメだ、限界だ。
「万子、…もう少し速くして、くれないか…?」
切れた何かが理性だと言うのを、彼は理解していた。
理性が切れたのを理解している性之介は、全てを万子が与えてくれる快楽に委ねる事にした。
「いいわよ」
ニヤリと唇で弧を描いて彼の要望を受け入れた万子は、抜き差しの動きを速くしていった。
口に入りきらなかった根元の部分は、手で上下に扱いて性之介を絶頂へと誘う。
口と手で限界まで膨れ上がった男根を、その下に鎮座している玉座をもう1つの手で。
要望通りの愛撫で気持ち悦い場所を触られれば、性之介の絶頂はすぐそこまで迫っていた。
「ああ、そうだ。気持ちいい、」
『性感帯の分布図を描く女』我ながらこれ以上ない良い題名だと思う。
そう思ってしまう位、万子の手の動かし方、舌や唇の動かし方、力加減や刺激を施す場所すら一寸の狂いもなく、性之介が悦楽に溺れる場所を把握していた。
性之介の快楽も絶頂も彼女の手中にあった。
万子が彼の男根の先の方と根元、玉座にそれぞれ違った刺激を同時に続けている時だ。
「イキそうだ、万子。そのまま、口で受け止めてくれないか?次は万子の口の中で、イキたい」
性之介が、快楽に飲まれそうな余裕のない声で万子に強請った。
彼のその言葉に万子は頭を縦に小刻みに振って、肯定の意思を伝えた。
「出すぞ、」
性之介のその言葉を合図に、万子は自身の咥内に唾液以上の熱を持つ舌に絡み付くような粘度の高い液体が流れ込むのを感じた。
再度、ペニスの先から勢いよく飛び出すミルクを万子は口の中で全て受け止めた。しばらく、口に含み喉が微妙にしなったかと思うと、彼女はそれを全て飲み干していた。
「あなたのミルク、とっても美味しいわ。」
彼の胸もとに倒れ込んだ万子は、少し笑みを浮かべながら深い夢の中へと誘われていった。