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裸の彫刻像【シーラ・ナ・ギグ】
出典:wiki
人物の裸の像は、世界中に数多く存在します。
ミロのヴィーナス像やミケランジェロのダビデ像を思い浮かべるでしょうか。【シーラ・ナ・ギグ】もそのうちの一つ。・・・と言いますか、決して美しいものとは言えません。
シーラ・ナ・ギグとは、裸で全裸で女性器を露にした彫刻像の事です。
画像を見るとわかるように、女性器を手で押し広げています。・・・こんなに大きく見せられていると、とても清清しいですね。
シーラ・ナ・ギグは、16世紀以前のイギリスやアイルランドの多くの教会の入り口に飾られていたとそうで、教会の近くに埋もれていたのが100体くらい発見されています。
あれ?多くの教会にあったはずなのに、意外と発見された数は少ないですよね。
それはどうしてかと言いますと、19世紀のヴィクトリア王朝時代に破壊されてしまって、原型を留めた像がなかったからです。
ヴィクトリア王朝時代は道徳的な考え方や宗教関係に厳しく、シーラ・ナ・ギグは受け入れられなかったようです。
たしかに、子どもに見せたいと思うようなものではありませんし、小さな男の子だとシーラ・ナ・ギグを見て、そっち系の興味ばかり持ってしまいそうです。
シーラ・ナ・ギグの根源は古代から!
古代の人々は女性器を象った像を戸口や窓に飾る事により、魔除けや悪魔払いとしていたそうです。
女性器の誇張が特徴的なシーラ・ナ・ギグですが、実は「女性器を見せる」という文化、風習は古代からあったそうで、そのような神話も沢山あります。
日本で女性器をあらわにしたのは、アメノウズメノミコトの神話が知られています。
アメノウズメノミコトは、アマテラスオオミカミが天岩戸に引きこもってしまい、光を失った世界を救うために、女性器をあらわにしてストリップを行いました。しかし、サルタヒコノカミを誘惑した際にも、女性器を見せたとも言われています。
でも実は男性が好むのは、色気をあからさまにするオンナではありません。
▼男にとっての色気のある女とは?
そして、シーラ・ナ・ギグのような考えを持った像が、ヒンズー教にも存在しているのだそうです。
ヒンズー教寺院に飾られている、女性器を誇張しているカーリー女神像。参拝に来たヒンズー教信者は、誇張されている女陰(ヨーニ)に舐めた指で触れ、幸運を祈ります。
そのため、古いカーリー女神像には、女陰の部分に深い窪みができているものもあるようです。
謎多きシーラ・ナ・ギグ
見れば見るほど、不思議な感じがします。
このシーラ・ナ・ギグ・・・実はまだ解ってない事が多くあります。語源はもちろん、その他の詳細もよく解っていません。
シーラ・ナ・ギグの意味は、以下の説があるようです。
- 「胸の女性」
- 「臀部あるいは腰部のシイラ」
また『ナ・ギグ』が『聖なる娼婦』という説が有力ですが、やはりこれも詳しくは解っておりません。
ですが1つだけ言えるのは、シーラ・ナ・ギグが、ヒンズー教のカーリー女神のように幸運などの他に妊娠や豊穣など、あらゆる生殖の多産を意味する、繁殖の神さまだったのではないかという事です。
女性は聖なる存在であると同時に大事にするべき存在、強い存在、現在でもその考え方は変わりません。そう思うと、私たち女性は現在もシーラ・ナ・ギグに守られているのかもしれませんね。
女性がシーラ・ナ・ギグのようにあそこを広げて誘えば、男性は『据え膳食わぬは男の恥』とばかりに飛びつくのでしょうか。ドン引きする人の方が多いでしょうが・・・
そこにヴァギナデンタタを仕込ませているかも知れませんね。
ちなみに裸の像と言えば、2009年世界最古のビーナス像がドイツで発見されています。
『ホーレ・フェルスのビーナス』と名づけられた3万5千年前のものなのだとか。
クロマニョン人が作ったと言われていますが、サイズはたった6cm。何ともグラマーなビーナスです。