【処女ビッチ物語】キミの事は好き、嫌い。vol.1

【処女ビッチ物語】キミの事は好き、嫌い。

キミなんか嫌いだよ

バシンッ……!

あるラブホテル内で鈍い打音が鳴り響く。その空間には男女一組、男は左手で女の右頬を強く叩いた。

男の瞳孔は見開いていて、女は殴られた衝撃で若干俯いてはいるが、涙こそ流してはいない。この殴打は、ある種当然の事であった。

「キミ、自分が何をしたか分かっているよね?」

「……悪海くんにはいわれたくないなぁ」

「黙れ。天川さんはいつも偽善者でマゾヒズム過ぎて吐き気がするよ」

ごもっともな言い分だ。女の方、もとい天川は、反論できない。しかしこれは、某漫画風に言うなら計画通りである。あと少しで計画は完璧に遂行される。

男の方、もとい悪海は、苛立ちからかいつもより血やら何やら全身が湧きだつのを感じる。それは実際そうであって、それは避けたい事だった。

男、悪海は地味目で大人しそうなタイプだが、よく顔を見ると実は整っている事が分かる。

対する女、天川は見た目通り清楚系で優等生そうな外見だ。二人は同じ高校に通う同学年で、クラスは別。だからこそ話したことは余りない。

しかし天川は清楚系の優等生で、様々な人に優しくしている所は、悪海も結構見かける。更に厄介な事に、天川が悪海を好きな事は一部では察しが付いていた。

天川は、悪海にだけ態度が違う。悪海は、そんな天川が嫌いだ。

何故悪海は天川が嫌いなのか?処女ビッチの匂いがするとの、評判に影響しそうな大層失礼な理由だった。

悪海は天川が嫌いである。天川は悪海に好意を抱いている。

悪海の友人が自殺しようと川に身を投げた時、それを川に飛び込んでまで助けたのは、天川だった。悪海はその時、自身のカオが苦虫を噛み潰したような顔になったのを自覚した。

恩を返さなければ。

悪海の友人は言った。お礼をしたい、と。天川は言った、お礼はいらない。強いて言うなら悪海くんと話してみたいな、と。

その後悪海は天川と話す機会が増え、友人の命を救ったのは私だよと脅され、仕方なく今から性行為に及ぶ破目になった。やっぱり、処女ビッチだったじゃないか!

「……とりあえず適当につっ込めばいいんだろう?」

「嫌だなあ、優しくして欲しいなぁ。私……処女なんだから」

「最悪」

お前の処女なんかいらないし重いんだよとは言えない。この女は現に人一人の命を救ったのだから。それに俺も童貞だ、童貞返せと怒鳴りたい。

ギシリ、と、ラブホテルのベットが軋む。今からこのベットの上で沢山飛び跳ねて壊せば逃れられるだろうか、それをしたら弁償するのは自分だし、それを見越して逃げられないようにラブホテルに誘ったなこの女、と心中で毒づく。

不本意ながら天川を組み敷く形になってしまい、天川の両腕の隣に自身の手が片方づつ置かれている状況だ。

「……どうすればいいのかな?」

「恋人同士がするようなエッチがしたいかな。若干Sッ気もあると嬉しいな」

「趣味悪いなお前」

「そうそれ!そんな感じ!」

悪海はファーストキスは済んでいる。だからこそ、キスの気持ちよさを心地よさを知っている。こんな気持ち悪い吐き気がするキスは初めての体験だった。天川は、それでも嬉しそうにしていた。

ビッチ相手でもこの行為は好き

童貞の言うセリフでは無いが、だれかと一つになれているような、この行為は好きだ。ベットでキスしながら一緒に横になるこの行為。

しかし相手が悪すぎた。悪海は天川が嫌いだ。 この女はSMチックな恋人同士がするようなのがお望みらしい。注文が多すぎる。童貞ながら頑張ってAVを思い出す。

唇に軽くキスをする。下手なディープキスよりは、こっちの方がイイ。触れるだけのキスを沢山送る。

最初は唇に、次にそこから少しずれた端の方にキスを、次に上唇を啄むように、その次は反対側の端の方を、次は下唇を啄むように。一通り終わったら、また唇に軽くキスをする。

天川のカオが赤い。火照っている。対する悪海は若干雄のカオになっていた。

この女は嫌いだ。嫌いだ、が、やはり三大欲求には、性欲には性行為には負けてしまうらしい。

キスを続けながら右手で恋人繋ぎをしてみる。天川の目が一瞬見開いた、驚いたようだ。

その証拠にカラダもビクンと反応していた。悪海はいい気味だと盗み見ながら、そのまま左手で腰を撫でる。三回ほどゆっくり撫でた後、そこから下へ指を滑らす。

「んっ……」

反応している、いい気味だ。優越感に浸りつつその指を下へ、上へ、ゆっくり往復させる。

あー、やべえ、なんか興奮してきた……。嫌いな筈の相手なのに、悪海はそう思った。キスの不快感も次第に薄れてきている。恐るべし性欲。

嫌いな奴とのキスなんて反吐がでる行為をしているのは、とりあえず息苦しくさせればSっぽいかなという間違った解釈からだった。あと何か恋人同士っぽいし、といった、安直な考えだった。

そういえば、ディープキスをしていない。試しにしてみようかと思い、実行した。

「んんっ……!」

おーいい声だなー、普段からそうしてりゃあ少しは可愛らしいものを。それは口には出さない、今この瞬間に場所に不必要だからだ。

舌をいれ、軽く舌を絡ませ、下からつくように舌を刺激し、その後に上の歯の裏側を軽くなぞってみた。すぐさまその歯の反対側にも同じようにしてみる。

涙目で苦しそうだ。カオも先程より赤い。あー、やべえ本当にそそるなぁ……と、軽く性欲に支配されてきている。

口内の下の方も同じようにしようとしたその瞬間。

「んーっ!んーっ!」

色気の無い、しかし、鼻に声がかかったかのような、エロチックな声がした。

唇を離すと、大きくぷはっと息を補給した天川は、火照ったカオと瞳でトロンとしていた。 ……コイツ、こんなカオもできるんだなぁと何故か関心した。

「……何?」

「……あの、その……、胸……」
 
胸?ああ、弄れって事か。ご要望通りに胸に触れる。

強く揉めばいいというのは実は間違いで、下から優しくゆっくりと揉むと女性は感じやすいという情報は、どこから聞いたかは忘れた。

下からゆっくりと、撫でまわすように胸を揉んでみる。胸の柔らかな感触に若干感動したのは、ここだけの話に留めておきたい。

声こそださないが、天川は感じているようだ。否、感じているというよりは、恥じらっている感じだ。先程の優越感が一段と上がり、もっと泣かせたくなってきた。

コイツ、上手くいけば胸だけでイケるのか……?

とりあえず胸を同じように撫でまわすように揉み、それを上から眺める。上からじっとりと眺められて、天川は恥ずかしそうだ。

処女ビッチの要求

時折乳首らへんも撫でまわしているからか、刺激が足りないのだろうか。下手に中途半端な刺激で物足りなさそうにコチラを見ている。

「あ……の」

「んー?」

「その……」

「何?」

「いや、だから、その」

「何かな?言われないと分からないよ」

まさか自分がAVのような漫画のようなセリフを言うとは。恐るべし性欲。三大欲求の前に、人間はこんなにも愚かになってしまうとは。

自分が自分ではないようだ。

胸を、乳首付近を、撫でまわすように焦らすように弄る。強い刺激はまだ与えてやらない。

「……ッ、だから、その」

「だから分からないって。言われてないから。何かな?」

すると面白い事に天川のカオは最初より赤く火照っている。目も潤んでいる。早くいってくれないかな、と、若干期待する。

「……え、っと、……弄って、欲しい」

「何を?」

「ッだから!」

「怒られてもねえ。言われてないし」

「く……ッ!」

気分が高揚する。真っ赤なカオで、欲情しているカオで睨まれても全然怖くない。 カオを左側に向け、羞恥からか目を強く瞑りながら天川は言った。

「……ッ、ちくび、弄って……ください」

「了解」

望み通りに乳首を弄る。片方づつ、同時にキュッと摘まめば、天川は刺激からか目を瞑った。直ぐに片方づつ、同時に人差し指で乳首を撫でてやれば、天川は小さく喘いだ。その様に更に高揚が高鳴る。

「……ねえ、天川さん」

「……ッ、な、に?」

乳首への愛撫を続けながら言った。

「僕、童貞だからどこに挿入(いれ)たらいいか分からないな。自分で僕に見せながら広げてくれないかな?」

「えっ!」

「え?」

天川の瞳が煌めいた。それは欲情というよりは、歓喜に近い煌めきだ。

「……何?」

「え、はじめて……なの?」

「……そうだけど」

先程までの興奮が冷めてしまった。僕のモノは一気に萎えた。

「え、嘘、もうすましてるかと……」

「……ごめん、萎えた」

「え!なんで!」

「分からない。とにかく今日は無理そうだ」

「無理じゃないよ!そこは頑張って起たせて欲しいな!」

「嫌だね、無理。男は結構ナイーブでデリケートな生き物なんだよ」

こうして、僕の童貞と天川さんの処女はなんとか守られてしまった。

嫌いの反対は?

「一目惚れだったのよね」 服を着ながら天川さんが話してきた。

曰く、入学式で僕を見かけて話してみたいなと思った事。僕が基本単独行動で憧れていた事。カースト上位の女子や男子に馬鹿にされても相手にしなかった所。

この女、バカだろうと思った。 そんな事の為に処女を捨てるのか?片思いの相手に処女を捨てるのか?思った事をそのまま話してみた。

「処女はね、綺麗に捨てたかったのよ。初恋の片思いの相手に捧げれば、美化できて思い出にできるし浸れるから」

カチンときた。何かが、プッツン、と、切れた感じがした。同時にスイッチが入った気がした。

「分かった。意地でもキミとは行為をしないよ」

「え、そんなぁ!」

失礼じゃないかこの女。僕の気持ちを童貞をなんだと思っている?僕は本来好きな人と行為をしたい派なんだ。だからこそ、これは意地だ。

「キミとは行為をしないよ。したいなら、アタックしにきなよ」

「……それは、チャンスを与えるよ、って事かしら?」

「は」

「だって。私が嫌なら、アタックしに来て欲しくないでしょう?」

「……キミが行為をしたいと言うからだよ」

「そう?」

そう、それだけだ。これは人間の三大欲求の、性欲の、仕方ない事なんだ。

僕はこの日から天川さんにアタックされる事になる。

続き ⇒ 【処女ビッチ物語】キミの事は好き、嫌い。vol.2

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